新会社法Q&A
                 

ここでは平成19年に施行された新会社法において、中小企業に関連する部分を中心にQ&A方式でまとめています。 
                

株式会社の機関

Q.1   株式会社の機関としてはどのようなものがありますか。

A.1  株式会社には、株主総会や取締役をはじめとして、取締役会、監査役、会計監査人等様々な種類の機関があります。
   また、新会社法では、会計参与が新たに導入されました。

株式譲渡制限会社

Q.2   「株式譲渡制限会社」とは何ですか。

A.2  「株式譲渡制限会社」とは、すべての株式の譲渡を制限している株式会社のことです。新会社法では、有限会社制度の廃止により、株式譲渡制限会社であるかどうかが制度設計の新たな基準となります。

中小企業に適した機関設計

Q.3   株式会社の機関設計が柔軟化されてそうですが、具体的にはどのようなくみあわせがあるのですか。

A.3  株式譲渡制限会社では、取締役会および監査役の設置が任意になり、  取締役を1人のみとすることも可能です。

取締役会を設置しない会社の株主総会

Q.4   取締役会を設置しない会社の株主総会は、どう変わりましたか。

A.4  取締役会を設置しない会社では、株主総会の決議事項が拡大されると
ともに、招集手続きが簡素化されます。

取締役・監査役の任期

Q.5   株式会社の取締役や監査役の任期はどう変わりますか。

A.5  株式会社の取締役の任期は原則として2年、監査役は原則として4年と
なりますが、株式譲渡制限会社では、定款でそれぞれ10年まで伸ばす
ことができます。

取締役等の責任

Q.6   取締役等、会社役員の責任は、どう変わりましたか。

A.6  取締役の会社に対する責任は、原則として過失責任になります。
また、一定の場合に、役員の損害賠償を制限することもできます。

取締役会の書面決議

Q.7   取締役会の決議方法は、どう変わりましたか。

A.7  定款に定めれば、実際に会議を開かずに、書面上で決議すること
(いわゆる「書面決議」)が認められるようになります。

譲渡制限株式の発行

Q.8   譲渡制限株式の制限はどう変わりましたか。

A.8  すべての株式ではなく、一部の株式について譲渡制限することが
できるなど、柔軟な制度設計が可能となりました。

譲渡制限株式の発行

Q.9   株式が市場取引されていない会社の自己株式の取得方法は、
どう変わりましたか。

A.9  自己株式の取得の決議が提示株主総会に限定されず、臨時株主総会でも
可能となります。
また、譲渡人を指定しない方法も新設されます。

相続人等に対する売渡請求

Q.10   相続や合併等により会社にとって好ましくない者に株式が分散する
ことを防ぐには、どうしたらいいですか。

A.10  相続や合併等で株式を取得した者に対して、会社がその株式を売り渡す
ように請求できる旨を定款出定めることができます。

議決権制限株式の活用

Q.11   譲渡制限株式は、どう変わりましたか。

A.11  株式譲渡制限会社においては、これまで発行済株式の総数の1/2まで
とされていた議決権制限株式の発行限度がなくなりました。

議決権や配当についての株主ごとの異なる取り扱い

Q.12   株式会社においては、議決権、配当等について必ず出資額に応じた配分にしなければなりませんか。

A.12  株式譲渡制限会社においては、株主総会の特殊決議により、議決権や
配当について株主ごとの異なる取り扱いを定款に定めることができるようになりました。

株券の廃止

Q.13   株券は発行しなくてもよくなったのですか。

A.13  新会社法では、株券は定款に株券発行の定めがない限り発行されない
ことになりました。

社債の発行

Q.14   社債の発行は株式会社以外はできないのですか。

A.14  株式会社のみならず、特例有限会社、合名会社、合資会社、合同会社も
社債を発行することができるようになりました。

会計参与制度

Q.15   社債の発行は株式会社以外はできないのですか。

A.15  会計参与は、取締役と共同して計算書類の作成・説明・開示等を行う
    会社内部の機関で、税理士・公認会計士等の会計専門家からなります。
    設置は完全に会社の任意であり、強制ではありません。

剰余金の配分

Q.16   剰余金の株主への分配は、どう変わりましたか。

A.16  配当は、株主総会の決議によりいつでもできるようになります。
また、剰余金の分配の規定が整理され、統一の財源規制の下に置かれました。

決算報告

Q.17   どのような会社で決算公告が義務付けられるのですか。

A.17  すべての機関設計の株式会社で、決算公告が義務付けられました。

合併等の対価の柔軟化

Q.18   「合併等の対価の柔軟化」とは何ですか。

A.18  会社が合併等を行う場合に、相手会社の株主に対して交付する財産 (対価)の種類が柔軟に認められるようになったことです。

簡易組織再編の範囲拡大

Q.19   簡易組織再編は、どう変わりましたか。

A.19  簡易組織再編の規模の要件が5%から20%へ拡大されました。

略式組織再編の導入

Q.20   略式組織再編とは、どのような制度ですか。

A.20  支配関係にある会社間での組織再編について、被支配会社での株主総会決議を不要とする制度です。

有限会社制度の廃止

Q.21   有限会社制度が廃止されたそうですが、既存の有限会社はどうなるの ですか。

A.21  特例有限会社制度により、有限会社の商号をそのまま使用することが 認められます。株式会社の商号を使用する通常の株式会社に移行する ことももちろん可能です。

特例有限会社

Q.22   特例有限会社となるためには、何か手続きは必要ですか。

A.22  特例有限会社となるために特段の手続等は必要なく、存続期間の制限もありません。

通常の株式会社への移行

Q.23   特例有限会社から通常の株式会社に移行するには、どのような手続が 必要ですか。

A.23  定款における株式会社への商号変更、特例有限会社の解散登記及び  株式会社の設立登記を行う必要があります。

合名会社・合資会社から株式会社への組織変更

Q.24   合名会社・合資会社を株式会社に変更することは可能ですか。

A.24  合名会社・合資会社から株式会社へ組織変更することができるように なりました。

一人合名会社、法人無限責任社員

Q.25   合名会社・合資会社の社員の規定は、どう変わりましたか。

A.25  社員1名のみの合名会社の設立・存続ができるようになったほか、  法人が無限責任社員になることが認められました。

会社設立手続きの簡素化

Q.26   会社設立の手続はどのように簡素化されましたか。

A.26  最低資本金制度の撤廃、類似商号規制の廃止、払込金保管証明制度の 一部廃止等を含め、設立手続が簡素化しました。

最低資本金制度の撤廃

Q.27   株式会社を設立するためには資本金はどれくらい必要ですか。

A.27  最低資本金制度が撤廃され、資本金が1円でも会社を設立することが できます。

既存の「確認会社」(1円会社)の扱い

Q.28   最低資本金規制特例制度を利用した「確認会社」はどうなりますか。

A.28  新会社法施行後、既存の「確認会社」は、5年以内に資本金を積み増す必要はなく、毎年行っていた経済産業大臣への書類提出も不要です。

既存会社の資本金の減少

Q.29   既存の株式会社・有限会社が、これまでの最低資本金の額未満まで減少させることも可能でしょうか。

A.29  最低資本金制度が撤廃されたので、既存の株式会社・有限会社も無制限に資本金を減少させることが可能です。

商業登記制度の柔軟化

Q.30   商業登記制度は、どう変わりましたか。

A.30  類似商号規制が廃止され、「目的」についての柔軟な記載ができるようになりました。

払込金保管証明制度の一部廃止

Q.31   払込金保管証明制度は、どう変わりましたか。

A.31  発起設立により会社を設立する場合は、「払込金保管証明」は必要なく、銀行の残高証明で足りることになりました。

社債の発行

Q.32   現物出資や事後設立は、どう変わりましたか。

A.32  現物出資する財産額が500万円以下の場合は、検査役の調査が不要になりました。また、事後設立の場合の検査役調査も廃止されました。

合同会社(日本版LLC)の新設

Q.33   合同会社(日本版LLC)とは、どのような会社ですか。

A.33  合同会社は、有限責任社員のみで構成され、かつ組織の内部自治を    認める新たな会社類型で、LLPとともに、創業やジョイントベンチャーなどでの活用が期待されています。